マクロ撮影時にはレンズが被写体にかなり近づくので、 レンズフードやレンズ自体が影になってしまったり、 机の上での小物撮影では、 被写体を照らしている照明器具とレンズ鏡筒がぶつかってしまうことが良くあります。 本格的なマクロ撮影には、 被写体からもっと離れて撮れる、 より焦点距離の長いマクロレンズが良いのでしょう。
しかし、等倍に近くなると50mmでも手ブレの影響がかなり出るので、 これ以上の焦点距離では手持ちマクロ撮影はほぼ不可能でしょう。 また、被写体との距離が近いことは逆に、 小物撮影などにおいてはファインダーを覗きながら 被写体の位置を調整することができるという利点もあります。 何より他のマクロレンズは価格帯が全く違いますから、 気軽に撮れるマクロレンズとして良いレンズだと思います。
以下の写真はいずれもPENTAX k-xにこのレンズを付けて撮りました。 k-xはAPS-C版なので、同じ倍率で35mm版カメラでは約1.5倍広い範囲が写りますが、 いずれの写真も倍率1:2くらいで撮っているので、 35mm版でも同じ大きさで撮れるはずです。 RAWで撮ってAdobe Photoshop Lightroom 4で現像していますが、 ホワイトバランス以外の調整、縮小以外の加工はしていません。
1/125 f8.0 ISO200
25%(381KB)
50%(1.20MB)
原寸(5.03MB)
そもそも私がこのレンズを購入したのは、
フィギュア撮影の幅を広げたかったためです。
私の期待にこのレンズは十分応えてくれています。
拡大して頂くと、表面の質感まで写っているのがわかるかと思います。
1/640 f2.8 ISO200
25%(445KB)
50%(1.43MB)
原寸(5.81MB)
皇居前広場の松に成っていた、小指くらいの大きさの松笠です。
フォーカスリングの遠距離側の回転範囲が狭いですが、 マクロ域では回転範囲が広くてもピント合わせはシビアなので、 それに慣れていれば問題に感じない範囲だと思います。
焦点距離50mmはAPS-Cだと中望遠になりますが、私には画角がちょうど良く感じられる場面が多いです。 人が注目する画角に近いらしいのでそれが理由かもしれません。 都会の風景を切り取るのにちょうど良い気がします。 視界が開けたところでは35mm版換算75mmはやはり狭く感じます。
以下の写真はいずれもPENTAX k-xにこのレンズを付けて撮りました。 RAWで撮ってAdobe Photoshop Lightroom 4現像していますが、 ホワイトバランス以外の調整、縮小以外の加工はしていません。
1/200 f5.6 ISO200
25%(802KB)
50%(2.45MB)
原寸(7.98MB)
車道を挟んだ向かい側から撮りました。
撮影場所(Googleマップ)
1/10 f2.8 ISO800
25%(272KB)
50%(0.98MB)
原寸(4.52MB)
開放f2.8はズームレンズでも実現している製品は多いですが、
キットレンズに比べれば明るいですね。
ボディ内手ブレ補正と近くにあった手すりで体を支えてなんとかISO800で撮れました。
月の部分を原寸でトリミングしたのがこちらになります。
中途半端な望遠レンズで撮るより綺麗に写っていると思うのは私の気のせいでしょうか。
また、このレンズは逆光に弱いです。 しかも、レンズフードを取り付けて不要な光がレンズに入射するのを防ごうにも、 付属のフードはAPS-C版の50mmの画角に対して短く、 あまり効果がありません[2]。
フードなし | 付属フードを使用 | 画角にあったフードを使用 |
35mm版対応のレンズなので、 付属フードがAPS-C版で用いるには短いのは仕方がありません …… と言いたいところですが、同じ35mm版対応の PENTAXの50mmマクロ にはもっと長いフードが付いているようですが…。
(2012/08/10追記)
フードを取り付けたままでも等倍まで近づけるように、この長さになっているようです。
HOYAマルチレンズフード
では、もっと長くて使いやすいフードがないかということになりますが、
HOYAマルチレンズフードという、
このように3段階に伸び縮みするラバーフードが市販されています[3]。
フード 長さ |
付属フードとの比較 | レンズに付けた状態 |
広角 | ||
標準 | ||
望遠 |
ちなみにPENTAXのマクロは、 付属フードはフォーカシングで繰り出されるレンズの外側の筒に取り付けるようになっていて、 レンズが繰り出されてもフードの位置は変わらない仕様になっているようです。 近づくほどにフードは邪魔になるだけなので、この方が合理的な設計ですね。
付属フード | マルチレンズフード広角 | マルチレンズフード標準 | マルチレンズフード望遠 |
しかしHOYAマルチレンズフードにも大きな欠点があります。 レンズ付属のレンズキャップが取り付けられないどころか、 フード先端にもキャップが取り付けられないのです。 正確には、レンズ付属のキャップは取り付けらますが、 きちんとはまらないため簡単に外れてしまいます。 レンズキャップを付けてケースにしまったカメラを、 再び取り出したらキャップが外れているということが頻繁に起こります。
なお、49mmのレンズキャップをフードの内側にはめ込むという方法があります
[4]。
ただし斜めにはまるので不格好ですし、使い勝手も何だかといった感じです。
f2.8 | f3.0 | f3.5 | f4.0 | f4.5 | f5.0 | f5.6 |
外部リンクアイコンは こちら のアイコンを利用させて頂きました。